借主の募集(全21問中7問目)

No.7

賃貸住宅の入居者の募集に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
令和4年試験 問47
  1. 入居希望者が独身の後期高齢者である場合、健康状態の確認のため、病歴を申告する書類の提出を求める必要がある。
  2. 入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断される場合であっても、契約者ではない同居人の年収の申告を求めるべきではない。
  3. サブリース方式では、特定転貸事業者は借受希望者との交渉を任されている立場に過ぎず、最終的に入居者を決定する立場にはない。
  4. 入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、入居を断る場合には、本人に返却する。

正解 4

解説

  1. 不適切。単身高齢者の入居は、賃貸収入の安定面や事故物件化による物件の資産価値の低下などの要因になるリスクがあることから、貸主としては入居を渋るケースもあります。しかし、高齢者というだけで他の入居希望者と比べて多くの報告義務を課すのは、基本的人権を尊重する立場や「高齢者居住安定確保法」の精神から考えると不合理な差別と言えます。実際にいくつかの裁判例では、国籍、高齢者、障碍者という理由で差別することは、違法であると判示されているところです。
  2. 不適切。入居希望者の年収と募集賃料とのバランスがとれていないと判断され場合、同居人の年収との合算で審査を行うことも考えられます。このとき同居人の仕事継続の有無について確認することも必要となります。
  3. 不適切。サブリース方式では、特定転貸事業者が貸主として最終的に入居者を決定する立場になります。
  4. [適切]。入居を断る場合には、入居審査のため借受希望者から提出された身元確認書類は、個人情報保護ほうの観点から返却することが望まれます。返却は義務ではありませんが、取得した個人データは遅滞なく消去するよう努めなければなりません。
したがって適切な記述は[4]です。