賃貸借契約の管理(全16問中11問目)

No.11

内容証明郵便と公正証書に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
平成29年試験 問22
  1. 賃貸借契約を解除する場合、内容証明郵便で解除通知を送付しなければ効力が生じない。
  2. 内容証明郵便は、いつ、どのような内容の郵便を誰が誰に宛てて出したかを郵便局(日本郵便株式会社)が証明する制度であり、文書の内容の真実性を証明するものではない。
  3. 賃貸借契約を公正証書で作成すると、借主の賃料不払を理由に建物の明渡しを求める場合、公正証書を債務名義として強制執行の手続をすることが可能となる。
  4. 公正証書が作成されると、証書の原本は郵便局(日本郵便株式会社)に送られ、内容証明郵便とともに郵便局において保管される。

正解 2

解説

  1. 誤り。解除権の意思表示の方法は特に定められていません。内容証明郵便ではなくても、口頭や普通郵便、書面等による解除通知でも、相手方に届いた時点で効力は生じます(民法97条)。
  2. [正しい]。内容証明郵便は、どんな内容の郵便をいつ出したかという事実を証明するものであり、文章の内容の真実性までを証明するものではありません。
  3. 誤り。「借主に金銭的な債務不履行があった場合には強制執行に服する」旨の陳述が記載されている公正証書で賃貸借契約をすれば、借主に家賃の未払い等があった場合に裁判を起こすことなく強制執行が可能です。しかし、公正証書を債務名義とした強制執行は、一定金額の支払いを求める請求に限定されるので、賃貸借契約を公正証書で締結しても建物の引渡しを求めることはできません。
  4. 誤り。公正証書と内容証明は別のものとなり、郵便局において保管されるものではありません。公正証書は公文書として、原本は公証役場で保管され、当事者には謄本が交付されます。
したがって正しい記述は[2]です。