賃貸住宅管理業者(全32問中12問目)

No.12

賃貸住宅管理業者の登録に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和5年試験 問31
  1. 賃貸人から委託を受けて無償で管理業務を行っている場合、その事業全体において営利性があると認められるときであっても、賃貸住宅管理業者の登録が必要となることはない。
  2. 特定転貸事業者は、200戸以上の特定賃貸借契約を締結している場合であっても、賃貸住宅の維持保全を200戸以上行っていなければ、賃貸住宅管理業者の登録をする義務はない。
  3. 事業者が100室の事務所及び100戸の賃貸住宅について維持保全を行っている場合、賃貸住宅管理業者の登録をする義務はない。
  4. 負債の合計額が資産の合計額を超えている場合であっても、直前2年の各事業年度において当期純利益が生じている場合には、賃貸住宅管理業者の登録拒否事由に該当しない。

正解 1

解説

  1. [誤り]。無償で管理業務を委託されている場合でも、事業スキーム全体を鑑みて事業性の有無が判断されます。このため、無償であっても営利性があると認められ、かつ賃貸住宅を200戸以上管理している場合は、賃貸住宅管理業者の登録を受けることが必要です(FAQ-登録関連(3)No.8)。
  2. 正しい。200戸以上の賃貸住宅の維持保全を行う業務を行っていない事業者は、管理業法における賃貸住宅管理業者に該当しません。したがって、200戸以上の特定賃貸借契約を締結している特定転貸事業者であっても、維持保全の管理戸数が200戸未満であれば賃貸住宅管理業者の登録をする義務はありません(FAQ-登録関連(3)No.10)。
  3. 正しい。賃貸住宅管理業とは、委託を受けて賃貸住宅の維持保全及び家賃等の金銭の管理を行う事業をいいます(管理業法2条)。事務所などのように事業の用に供される物件は、この要件に該当しないため管理戸数に含まれません。したがって、管理戸数は100戸となり、登録が任意の規模に該当します(管理業法規則3条)。
  4. 正しい。賃貸住宅管理業の登録基準として「財産及び損益の状況が良好であること」があり、これは行政規則上、①登録申請日を含む事業年度の前事業年度において、負債の合計額が資産の合計額を超えておらず、かつ、②支払不能に陥っていない状態をいうものとされています。このため、いわゆる債務超過の状態にある場合は登録を受けることができません。ただし、債務超過の状態にある場合でも、①直前2期に当期純利益が生じている場合や、②負債の合計から代表者からの借入金を控除すれば資産の合計を超えない場合には、財産及び損益の状況が良好であると取り扱われるため、登録拒否事由に該当しないこととなります(解釈運用の考え方-第6条第10号関係)。
したがって誤っている記述は[1]です。