賃貸住宅管理業者(全32問中19問目)

No.19

管理業法における管理受託契約に基づく管理業務で受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、本問において「家賃等」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
令和4年試験 問21
  1. 家賃等を管理する口座と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座の分別については、少なくとも、家賃等を管理する口座を同一口座として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座と分別すれば足りる。
  2. 家賃等を管理する帳簿と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿の分別については、少なくとも、家賃等を管理する帳簿を同一帳簿として賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する帳簿と分別すれば足りる。
  3. 家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該ロ座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えない。
  4. 賃貸住宅管理業者の固有財産を管理するための口座にその月分の家賃をいったん全額預入れし、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を控除した金額を移し替えることは差し支えない。

正解 2

解説

賃貸住宅管理業者は、管理受託契約に基づく管理業務に関して受領する家賃、敷金、共益費その他の金銭(以下、家賃等)を、自己の財産と分別して管理しなければなりません。分別管理は、次の方法による必要があります(解釈運用の考え方-第16条関係)。
  • 家賃等を管理する口座(1つあればOK)と賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座を分ける
  • 管理受託契約ごとに入出金を区別した帳簿を作成する等により、その金銭がどの管理受託契約に係るものであるかが直ちに判別できる状態になっている
  1. 適切。家賃等を管理する口座については管理受託契約または委託者ごとに用意することが望ましいですが、少なくとも一つあればよいとされています。
  2. [不適切]。家賃等を管理する帳簿は、管理受託契約ごとに別にする必要があります。
  3. 適切。家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入し、当該口座から賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に管理報酬分の金額を移し替えることは差し支えないとされています。ただし、移し替えは速やかに行われる必要があります。
  4. 適切。入居者から受領した家賃等を一時的に賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に預入し、速やかに、当該口座から家賃等を管理する口座に管理報酬分を除いた金額を移し替えることも差し支えないとされています(FAQ-事業関連(受託管理)(3)No.7)。これとは逆に、家賃等を管理する口座にその月分の家賃をいったん全額預入し、そこから管理報酬分の金額を賃貸住宅管理業者の固有財産を管理する口座に移し替える運用も認められています。
したがって不適切な記述は[2]です。