特定転貸事業者(全18問中10問目)

No.10

特定転貸事業者が特定賃貸借契約を締結したときに賃貸人に対して交付しなければならない書面(以下、本問において「特定賃貸借契約締結時書面」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和4年試験 問38
  1. 特定賃貸借契約書をもって特定賃貸借契約締結時書面とすることはできるが、特定賃貸借契約書と、特定転貸事業者が賃貸住宅の維持保全について賃貸人から受託する管理受託契約書を兼ねることはできない。
  2. 特定賃貸借契約締結時書面は、特定賃貸借契約を締結したときに遅滞なく交付しなければならない。
  3. 特定賃貸借契約締結時書面は、相手方と契約を締結したときのみならず、相手方との契約を更新したときにも、その都度作成しなければならない。
  4. 特定賃貸借契約締結時書面を電磁的方法で提供する場合、相手方がこれを確実に受け取ることができるよう、用いる方法について相手方の書面による承諾が必要である。

正解 2

解説

  1. 誤り。管理業法に定める事項がすべて記載された書面であれば、特定賃貸借契約締結時書面とすることができます。特定賃貸借契約ともにその賃貸住宅の維持保全を受託する場合、特定賃貸借契約書に管理受託契約締結時書面の内容をすべて記載することで、管理受託契約書を兼ねることができます。同様に特定賃貸借契約書面と管理受託契約締結書面も兼ねることができます(FAQ-事業関連(サブリース)(4)No.3)。
  2. [正しい]。特定転貸事業者は、特定賃貸借契約を締結したときは、その特定賃貸借契約の相手方に対し、遅滞なく、必要事項を記載した書面を交付しなければなりません(管理業法31条)。
  3. 誤り。契約の内容に変更があった場合には、変更のあった事項について特定賃貸借契約締結時書面を作成し、交付する必要があります。ただし、契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、契約締結時書面の交付は行わなくてもよいとされています(解釈運用の考え方-第31条第1項関係)。
  4. 誤り。書面を電磁的方法で提供する場合、あらかじめ相手方の承諾を得る必要がありますが、この承諾を得る方法としては、書面または法定の情報通信の技術を利用することができます(管理業法令2条1項)。承諾を得る方法として書面以外も認められるので本肢は誤りです。
したがって正しい記述は[2]です。