特定転貸事業者(全18問中12問目)

No.12

特定賃貸借契約重要事項説明に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和4年試験 問40
  1. 特定賃貸借契約において家賃改定日を定める場合はその旨を説明すればよく、これに加えて借地借家法に基づく減額請求について説明する必要はない。
  2. 特定賃貸借契約を賃貸人と特定転貸事業者との協議の上で更新することができることとする場合は、その旨を説明すればよく、更新拒絶に正当な事由が必要である旨を説明する必要はない。
  3. 特定賃貸借契約が終了した場合に賃貸人が特定転貸事業者の転貸人の地位を承継することとする定めを設ける場合は、その旨に加えて、賃貸人が転貸人の地位を承継した場合に正当な事由なく入居者の契約更新を拒むことはできないことを説明しなければならない。
  4. 特定賃貸借契約を定期建物賃貸借契約によらない建物賃貸借とする場合は、その旨に加えて、契約期間中に家賃の減額はできないとの特約を定めることはできないことを説明しなければならない。

正解 3

解説

  1. 誤り。特定賃貸借契約重要事項説明では「特定賃貸借契約の相手方に支払う家賃の額、支払期日及び支払方法等の賃貸の条件並びにその変更に関する事項」がその内容となっていますが、家賃改定日を定める場合でも、実際にはその定めに関係なくいつでも家賃減額請求をすることができるため、その日以外でも借地借家法に基づく減額請求が可能であることについて記載し、説明することが必要とされています(解釈運用の考え方-第30条関係)。
  2. 誤り。特定賃貸借契約重要事項説明では「特定賃貸借契約の更新及び解除に関する事項」がその内容となっていますが、その定めの内容にかかわらず、賃貸人が解約や更新拒絶するには借地借家法上の正当事由が必要である旨を記載し、説明しなければなりません(解釈運用の考え方-第30条関係)。
  3. [正しい]。特定賃貸借契約重要事項説明では「特定賃貸借契約が終了した場合における特定転貸事業者の権利義務の承継に関する事項」がその内容となっていますが、転貸人の地位を承継した場合、正当な事由なく賃借人からの更新を拒めないこと、転貸人の敷金返還債務を承継すること等について記載し、説明しなければなりません(解釈運用の考え方-第30条関係)。
  4. 誤り。普通建物賃貸借では、契約期間中に家賃の減額はできない旨の特約を定めたとしても、それは借地借家法の片面的強行規定により無効となります。それを知らずに特約をした貸主を保護するために、重説の内容では、家賃の減額ができない旨の特約を定めたとしても、その内容にかかわらず、特定転貸事業者からの家賃の減額請求はできることを記載して説明することになっています(解釈運用の考え方-第30条関係)。
したがって正しい記述は[3]です。