特定転貸事業者(全18問中9問目)

No.9

管理業法の定める誇大広告等の禁止に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和4年試験 問36
  1. 広告の記載と事実との相違が大きくなくても、その相違を知っていれば通常その特定賃貸借契約に誘引されないと判断される程度であれば、虚偽広告に該当する。
  2. 一定期間一定の額の家賃を支払うことを約束する趣旨で広告に「家賃保証」と表示する場合には、その文言に隣接する箇所に借地借家法第32条の規定により家賃が減額されることがあることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
  3. 広告に「○年間借上げ保証」と表示する場合には、その期間中であっても特定転貸事業者から解約をする可能性があることを表示しなければ、誇大広告に該当する。
  4. 良好な経営実績が確保されたとの体験談を用いる広告については、「個人の感想です。経営実績を保証するものではありません。」といった打消し表示を明瞭に記載すれば、誇大広告に該当しない。

正解 4

解説

  1. 正しい。著しく事実に相違する表示は「誇大広告」として禁止されます。著しく事実に相違する表示に該当するかどうかは、単に広告の記載と事実との相違の度合いの大きさだけで判断されるのではなく、その相違を知っていれば通常その特定賃貸借契約に誘引されないと判断される程度に相違しているかどうかで判断されます(解釈運用の考え方-第28条関係)。
  2. 正しい。「家賃保証」を謳っていても、実際には借主側は賃料減額請求権によって定期的な見直しを求めることができます。このため、広告において「家賃保証」「空室保証」など、空室の状況にかかわらず一定期間、一定の家賃を支払うことを約束する旨等の表示を行う場合は、「家賃保証」等の文言に隣接する箇所に、定期的な家賃の見直しがある場合にはその旨及び借地借家法第32条の規定により減額されることがあることを表示しなければなりません(ガイドライン-4(3))。賃料減額請求権について記載がない場合は「誇大広告等」に該当します。
  3. 正しい。一定期間の借上げ保証を謳っていても、実際には借主側は更新拒絶や解約権留保特約により、貸主側の都合にかかわらず中途解約できることがあります。このため、広告において「○年間借上げ保証」と表示する場合には、業者から解約をする可能性があることや、オーナーからの中途解約条項がある場合であっても、オーナーから解約する場合には、借地借家法第28条に基づき、正当な事由があると認められる場合でなければすることができないことを表示しなければなりません(ガイドライン-4(3))。特定転貸事業者から解約する可能性があることを記載しない場合には「誇大広告等」に該当します。
  4. [誤り]。体験談を用いた広告は、自分も同じようなメリットを受けられるという認識を抱いてしまう効果が強いため、体験談と異なる経営実績である賃貸住宅が一定数存在する場合には、たとえ打消し表示を明瞭に行っていたとしても「誇大広告等」に該当することがあります(ガイドライン-4(4))。
したがって誤っている記述は[4]です。