契約期間と更新(全4問中4問目)

No.4

賃貸借契約の更新に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
平成27年試験 問19
  1. 賃貸借契約を合意更新する場合、当事者間に特別の約束がない限り、契約終了前6ヵ月時点での通知等の特別の手続は不要であり、契約期間満了までの間に当事者間で協議し、契約条件を定めて合意すればよい。
  2. 賃貸借契約書に更新料条項がなくても、借主(消費者)が口頭で更新料の支払を了解した場合には、更新料の額が高額に過ぎる等の特段の事情のない限り、当該合意は消費者契約法第10条に違反するものではないから、貸主は更新料を請求することができる。
  3. 建物賃貸借契約が法定更新されると、期間の定めのない賃貸借契約となるため、法定更新以降、当事者間で別途、契約期間の定めをしない限り、契約の更新は生じなくなる。
  4. 賃貸住宅管理業法によれば、賃貸住宅管理業者は、更新事務を行うにあたり、借主に対し、更新後の期間、更新後の賃料の額、支払時期、及び方法等を記載した書面を交付する必要はない

正解 2

解説

  1. 適切。賃貸借契約の合意更新では、特別の定めがない限り、契約期間満了までの間に当事者間で協議し、契約条件を定めて合意すればよいとされています。条件変更を行う場合であっても、契約終了前6ヵ月時点での通知等の特別の手続は不要です。
  2. [不適切]。更新料を受領するには、契約書面で金額が定められていること、その金額が更新料の額が高額に過ぎないことが要件であることが判例で示されています。本肢は、口頭での合意ですので、当該合意は消費者契約法第10条(消費者の利益を一方的に害する条項)に違反するものと判断される可能性があります。
  3. 適切。建物賃貸借契約が法定更新された場合、期間の定めがない賃貸借契約となります。したがって、新たに契約期間の定めをしない限り、契約の更新は生じなくなります。
  4. 適切。旧登録制度では、更新時の借主への書面交付が義務付けられており、実務上は交付することも多いでしょうが、賃貸住宅管理業法上では義務となっていません。
したがって不適切な記述は[2]です。