保証契約(全6問中2問目)

No.2

Aを貸主、Bを借主とする建物賃貸借においてCを連帯保証人とする保証契約に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。ただし、それぞれの選択肢に記載のない事実はないものとする。
  1. Bが賃料の支払を怠ったので、AがCに対して保証債務履行請求権を行使した場合、Cは、Bには弁済する資力があり、かつその執行が容易である旨を証明すれば、AがBの財産について執行を行わない間は保証債務の履行を免れる。
  2. Aの賃料債権を被担保債権とする抵当権がD所有の甲不動産に設定されていた場合、Dの負う責任は甲不動産の範囲に限られるところ、Cの負う責任はCの全財産に及ぶ。
  3. Cが自然人ではなく法人の場合は、極度額を書面(電磁的方法による場合を含む)で定めなくてもよい。
  4. Bの賃借人の地位がAの承諾の下、第三者に移転した場合、Cが引き続き連帯保証債務を負担することを「保証の随伴性」という。
令和3年試験 問27
  1. ア、イ
  2. イ、ウ
  3. ウ、エ
  4. ア、エ

正解 4

解説

  1. 誤り。連帯保証人には検索の抗弁権がありません(民法454条)。したがって、Cは主たる債務者Bに弁済をする資力があり、かつ、執行が容易であることを証明したとしても、Aからの請求を免れることはできません。
  2. 正しい。物上保証人の責任範囲は有限でその物に限定されますが、人的担保の責任範囲は無限です。
  3. 正しい。賃貸借契約の保証は根保証契約なので、Cが自然人の場合には極度額の定めを書面で行うことになります。しかし、Cが法人の場合は極度額の定めを行う必要はありません(民法465条の2第2項)。
  4. 誤り。保証の随伴性とは、債権者に変更が生じた場合に保証債務が新債権者に移転する性質を言います。本肢のように債務者の変更に対するものではありません。
したがって誤っているものの組合せは「ア、エ」です。