保証契約(全6問中5問目)

No.5

賃貸借契約の保証に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
平成29年試験 問15
  1. 保証人は、更新後の賃貸借から生ずる借主の債務については、別途、保証契約を更新しない限り、保証債務を負わない。
  2. 連帯保証人は、貸主から保証債務の履行を求められたときに、まず借主に催告すべき旨を請求することができない。
  3. 貸主が賃貸物件を第三者に譲渡した場合、保証契約は当然に終了し、保証人は新貸主との間で保証債務を負わない。
  4. 賃料債務の保証人の場合は、書面又は電磁的記録を作成しなくても効力が生じる。

正解 2

解説

  1. 誤り。保証の継続に反対の意思をうかがわせるような特段の事情がない限り、賃貸借契約の更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても、保証人は保証債務を負うこととなります(最判平9.11.13)。
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  2. [正しい]。連帯保証人には連帯ではない保証人に認められる次の3つの権利がありません(民法454条)。
    催告の抗弁権
    債権者から請求を受けた際に、先に主たる債務者に対して催告すべきことを請求できる権利
    検索の抗弁権
    主たる債務者に弁済の資力があることを証明すれば、債権者からの請求を拒める権利
    分別の利益
    保証人の頭数に応じて各自の負担すべき額が減ること
    連帯保証では催告の抗弁権がないので、貸主から債務の履行を求められたときに「まずは借主に請求して」と言うことができません。
  3. 誤り。貸主が賃貸物件を譲渡した場合は、保証債務も主たる債務に伴って移転し、新貸主と保証人の間の保証契約が成立します。よって、新貸主との間で保証債務を負う必要があります(保証債務の随伴性)。
  4. 誤り。保証契約は、書面又は電磁的記録をもって締結する必要があります。よって、書面又は電磁的記録でなければ効力は生じません(民法446条2項)。
したがって適切な記述は[2]です。