設備の基礎知識と維持管理(全24問中16問目)

No.16

給水設備・給湯設備に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
平成29年試験 問30
  1. 給湯設備における局所式は、建物の屋上や地下の機械室に熱源機器と貯湯タンクを設け、建物各所へ配管して給湯する方式である。
  2. 増圧直結方式は、水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式であり、中規模以下のマンションやビルを対象とする方式である。
  3. 給水設備の水槽内にあるボールタップや電極棒が故障すると、水がオーバーフローとなり放水状態に陥って、常に給水ポンプが作動し、騒音の発生だけでなく、余分な電気代がかかることがある。
  4. 塩ビ管は、強靭性、耐衝撃性、耐火性で鋼管より劣るが、軽量で耐食性に優れている。

正解 1 または 3
※作問ミスにより正答2つ

解説

  1. [不適切]。局所式は、必要な給湯箇所ごとに小型の給湯器を設ける方式で、配管が短く維持管理が簡単な特徴があります。建物の屋上や地下の機械室に熱源機器と貯湯タンクを設けるのは、住棟セントラル方式となります。
  2. 適切。水道本管から分岐して引き込んだ上水を増圧給水ポンプで各住戸へ直接給水する方式です。衛生的で、受水槽や高置水槽が不要、受水槽式と比較して省スペース化・設備コスト低減等が図れます。負圧になって住戸の水が水道本管に逆流しない様に、逆流防止装置を設けるのが一般的です。
  3. [不適切]。水がオーバーフローとなり放水状態に陥った場合、常に給水ポンプが作動し、騒音の発生となるだけでなく、余分な電気代も発生します。しかし、必ずしもオーバーフローするとは限らず、「ボールタップが上の方で引っかかって給水口が開かない」、「電極棒がショートして満水状態と判断されるようになった」などの場合には、給水されずに水槽が空になっていくことも考えられるので誤りとなります(出題ミス)。
  4. 適切。塩ビ管は合成樹脂(プラスチック)製で軽量で、耐食性や施工性にも優れている一方で、強靭性、耐衝撃性、耐火性で鋼管より劣ります。
したがって不適切な記述は[1]です。