賃貸管理総論 (全15問中4問目)

No.4

管理業者の社会的責務と役割に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
令和2年試験 問2
  1. 人口減少・成熟型社会を迎え、良質のものを長く使うストック重視の循環型社会へ移行することが喫緊の課題となり、適切な管理を通じて不動産の価値を維持・保全する役割を担う管理業者の社会的責務と役割が高まっている。
  2. 貸主の資産の適切な運用という観点から、貸主の有するあらゆる資産の組合せの中で、いかに収益を上げるかという視点で賃貸管理のあり方を構成していくことは、管理業者としては越権であり控えるべき姿勢である。
  3. バブル崩壊、不動産不況、グローバリゼーションの進展など、賃貸不動産を取り巻く環境の変化に対応した結果、賃貸不動産の活用の現場では、もっぱら普通建物賃貸借契約に重点をおいて、その契約期間をいかに長くするかが、最も重要となっている。
  4. 管理業者に求められる社会的役割の一つは、貸主や借主との信頼関係に最大限の配慮をしたコンプライアンスの遵守であるが、管理業者が賃貸借契約の当事者になる場合、契約の相手方に、将来の家賃変動等、管理業者にとって不利益な事項は説明する必要はない。

正解 1

解説

  1. [適切]。人口減少・成熟型社会を迎えた現在においては、空家・空地などの遊休状態にある不動産が増加している現状が今後も継続することが見込まれますから、不動産ストックの質を高め、それらをできる限り有効に活用するストック重視の循環型社会へ移行することを特に意識する必要があります。
    ※既存住宅等を適切に管理・修繕・改修し、長寿命化・付加価値化を図りつつ、その価値が市場で適正に評価されるという社会
  2. 不適切。貸主の資産の適切な運用という観点から、管理を依頼された賃貸住宅に限らず貸主の有するあらゆる資産の組合せの中で、いかに不動産から収益を上げるかという視点で賃貸管理のあり方を構成していくことが、専門的知見を有する管理業者に求められています。
  3. 不適切。バブル崩壊、不動産不況、グローバリゼーションの進展などの賃貸不動産を取り巻く環境の変化に対応した結果、賃貸不動産の活用の現場では、多様な賃貸借契約形態が求められ、その上でいかなる契約形態を選択すべきか専門的知見に基づく判断が必要となってきています。単に契約期間の長い普通建物賃貸借契約を締結するという旧来型の方針では時代に対応しきれません。
  4. 不適切。管理業者に求められる社会的役割の一つは、貸主や借主との信頼関係に最大限の配慮をしたコンプライアンスの遵守です。コンプライアンスには法令遵守のみならず、社会規範や倫理道徳を守るという意味が含まれます。管理業者が賃貸借契約の当事者になる場合には、宅建業法や賃貸住宅管理適正化法の適用がありませんが、たとえその場合であってもコンプライアンス遵守の精神に則り、契約の相手方に、将来の家賃変動等、管理業者にとって不利益な事項を説明しないような不適切な行為は慎むべきです。
したがって適切な記述は[1]です。