管理業務の受託(全24問中12問目)

No.12

特定賃貸借標準契約書に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和2年試験 問14
  1. 特定賃貸借標準契約書では、契約で定めた禁止期間内は、借主(管理業者)から同契約を解約することができないこととするのが望ましいとされている。
  2. 特定賃貸借標準契約書では、転貸の条件として、民泊の用途に転貸することの可否についても明示することとされている。
  3. 特定賃貸借標準契約書では、転借人から受領した敷金について、自己の固有財産及び他の賃貸人の財産と分別管理することも借主(管理業者)の義務とされている。
  4. 特定賃貸借標準契約書では、賃貸物件の引渡日と賃料支払義務発生日は同一でなければならないとされている。

正解 4

解説

  1. 正しい。特定賃貸借標準契約書では、借主(管理業者)が解約をすることができない期間についての定めは特約ですることになっています。借主から貸主に対して、解約の申入れをすることにより、契約期間中に契約を解約することができることとする場合には、借主からの解約は一般的に貸主に与える影響が大きいことから、契約締結後、貸主及び借主の実情に応じて定めた期間が経過するまでは、解約をすることができないことすることが望ましいとされています。
  2. 正しい。転貸の条件として、民泊(住宅に人を宿泊させるサービス)の可否、住宅宿泊事業法に基づく住宅宿泊業であるか、国家戦略特区法に基づく外国人滞在施設経営事業であるかの別を明示することになっています(頭書(8))。
  3. 正しい。特定賃貸借契約が終了した場合には、貸主が敷金返還債務を承継するため、管理業者は、転借人から受領した敷金について、自己の固有財産及び他の賃貸人に支払う財産と明確に分別して管理しなければならないとされています(9条3項)。
  4. [誤り]。賃貸物件の引渡日と賃料支払義務発生日は同一とするのが基本ですが、転借人の募集にある程度の期間が必要な場合には、引渡し日にこの募集期間を加えた日を賃料支払義務発生日とすることも可能です。特定賃貸借標準契約書では、借主(管理業者)の支払い免責期間を設定することができるようになっています(頭書(5))。
したがって誤っている記述は[4]です。