管理業務の受託(全24問中14問目)

No.14

サブリース方式による賃貸管理業務に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
令和元年試験 問20
  1. 所有者が転貸借を承諾している場合、所有者と転借人(入居者)の間に契約関係が生じる。
  2. 所有者が転貸借を承諾しており、賃貸借契約の月額賃料が10万円、転貸借契約における月額賃料が12万円の場合、所有者が転借人(入居者)に対して12万円の支払を請求したときは、転借人(入居者)は12万円の支払義務を負う。
  3. 所有者が転貸借を承諾していない場合、転貸借契約は無効である。
  4. 所有者が転貸借を承諾しており、その転貸借契約が終了した場合、所有者は転借人(入居者)に対して敷金返還義務を負わない。

正解 4

解説

  1. 誤り。契約関係は、所有者と転借人の間ではなく、所有者から借り受けた転貸人と転借人の間に生じます。
  2. 誤り。所有者が転借人(入居者)に対して12万円の支払を請求したときであっても、転借人(入居者)は10万円の支払義務を負えば済みます。所有者は賃貸借契約もしくは転貸借契約における月額賃料のうち少ない金額までの請求しかできません。
  3. 誤り。民法では無断転貸があった場合には貸主は原貸借契約を解除できる旨が定められていますが、無断転貸があってもそれが当初から無効になるわけではなく、転貸人と転借人との間の契約は有効であると解されています。この場合、転貸人は原賃貸人からの承諾を取り付け、転借人に当該建物を使用収益させる義務を負います。
    このとき賃貸人が承諾をせず解除権を行使することも可能ですが、背信的行為(賃貸人との信頼関係を破壊するような行為)に当たらない特段の事情がある場合には、賃貸人は解除できないという判例があります。
  4. [正しい]。転貸借契約は所有者から借り受けた転貸人と、転借人の間で締結されるものであるため、所有者には転借人に対する敷金返還義務はありません。
したがって正しい記述は[4]です。