原状回復ガイドライン(全21問中18問目)

No.18

「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(以下、本問において「ガイドライン」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
平成28年試験 問24
  1. ガイドラインによれば、借主の故意過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗等のいずれにも該当せず、次の入居者を確保する目的で行う設備の交換や化粧直し等のリフォームは、貸主の負担となる経年変化及び通常損耗の修繕に該当する。
  2. ガイドラインによれば、ポスターやカレンダー等の掲示のための壁等の画鋲の穴は、壁等の釘穴、ねじ穴と同視され、借主の負担による修繕に該当する。
  3. 原状回復の取扱いについて、ガイドラインの内容と異なる特約を定めても無効である。
  4. ガイドラインによれば、畳表は減価償却資産として取り扱われ、経過年数が考慮される。

正解 1

解説

  1. [適切]。ガイドラインの基本的な考え方として、借主の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による消耗等については借主が負担すべき費用と考え、他方、たとえば次の入居者を確保する目的で行う設備の交換や化粧直しなどのリフォームについては、貸主が負担すべき費用とされています。
  2. 不適切。ポスターやカレンダー等の掲示は、通常の生活において行われる範疇のものであり、そのために使用した画鋲、ピン等の穴は、通常の損耗と考えられるということで貸主負担となっています。
  3. 不適切。ガイドラインは一般的な基準を定めたもので強制力はありません。各種法令の強行規定に反しないものであれば、特約を設けることは契約自由の原則から認められるものであり、一般的な原状回復義務を超えた一定の修繕等の義務を賃借人に負わせることも可能です。ただし、ガイドラインを超える責任を借主におわせる場合にはクリアすべき幾つかの条件があります。
  4. 不適切。襖紙や障子紙、畳表といったものは、消耗品としての性格が強く、毀損の軽重にかかわらず価値の減少が大きいため、減価償却資産の考え方を取り入れず、経過年数は考慮しません。
したがって適切な記述は[1]です。