原状回復ガイドライン(全21問中8問目)
No.8
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。令和3年試験 問9
- 賃貸借契約書に居室のクリーニング費用の負担に関する定めがない場合、借主が通常の清掃を怠ったことにより必要となる居室のクリーニング費用は貸主負担となる。
- 賃貸借契約書に原状回復について経年劣化を考慮する旨の定めがない場合、借主が過失により毀損したクロスの交換費用は経過年数を考慮せず、全額借主負担となる。
- 賃貸借契約書に原状回復費用は全て借主が負担する旨の定めがあれば、当然に、借主は通常損耗に当たる部分についても原状回復費用を負担しなければならない。
- 賃貸借契約書に借主の帰責事由に基づく汚損を修復する費用について借主負担とする旨の定めがない場合であっても、借主がクロスに行った落書きを消すための費用は借主の負担となる。
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正解 4
分野
科目:2 - 賃貸管理の実務細目:5 - 原状回復ガイドライン
解説
- 不適切。借主が通常の清掃を怠ったことにより経年劣化を超える損耗が発生した場合は、部位もしくは、住戸全体の清掃費用相当分を借主負担となります。
- 不適切。ガイドラインではクロスについて使用期間6年で経過年数を考慮するとしています。過失による損傷でも経年劣化部分は考慮されるので、全額負担になるとは限りません。
- 不適切。借主が通常損耗を含めて原状回復をするという特約が有効となるためには、賃借人が負担することとなる範囲の賃貸借契約書の条項への具体的明記や口頭説明により賃借人がその旨を明確に認識し、賃借人が通常とは異なる修繕義務について明確に合意している必要があるとされています(最判平17.12.16)。したがって、賃貸借契約に本肢のような定めがあっても、当然に借主が通常損耗部分をも負担するとは限りません。
- [適切]。借主が故意にクロスに落書きするなど故意・過失・善管注意義務違反により設備等を破損し、使用不能としてしまった場合には、本来機能していた状態まで戻すための費用を借主が負担することになります。
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