賃貸借契約(全28問中4問目)

No.4

定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
  1. 定期建物賃貸借契約は、書面のほか、電磁的記録により締結することができる。
  2. 定期建物賃貸借契約における事前説明(賃貸借に契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借が終了する旨の説明)は、賃借人の承諾がなくとも、電磁的方法により提供することができる。
  3. 契約期間が3か月の定期建物賃貸借契約の場合、賃貸人は契約終了の事前通知をせずとも、同契約の終了を賃借人に対抗できる。
  4. 賃貸人は、平成5年に締結された居住目的の建物賃貸借契約に関し、令和6年4月1日、賃借人の同意を得られれば、同契約を合意解除し、改めて定期建物賃貸借契約を締結することができる。
令和5年試験 問24
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ

正解 2

解説

  1. 正しい。定期建物賃貸借契約は、公正証書による等書面によって契約しなければなりません。ただし、契約がその内容を記録した電磁的記録によってされたときは、書面によって契約されたものとみなされます。よって、電磁的記録で締結することも可能です(借地借家法38条2項)。
  2. 誤り。定期建物賃貸借契約における事前説明は、書面のほか、電磁的方法により提供することが可能ですが、電磁的方法を用いるときには、あらかじめ所定の方法で賃借人の承諾を得る必要があります(借地借家法38条4項)。
  3. 正しい。契約満了の1年前から6か月前までの間に、賃借人に対して賃貸借終了の事前通知が必要となるのは、期間1年以上の定期建物賃貸借です。本肢は期間3カ月なので、事前通知をしなくても契約の終了を対抗することができます(借地借家法38条6項)。
  4. 誤り。定期建物賃貸借が創設された平成12年3月1日より前に締結された居住用の建物賃貸借契約は、当該契約を合意により終了させ、引き続き新たに定期建物賃貸借を締結することはできません。これは、定期建物賃貸借への切替えを禁止する旨の規定です。本肢は平成5年締結の居住用建物賃貸借ですから、この規定の適用により、合意解除後に改めて定期建物賃貸借契約を締結することはできません(H11改正法附則3条)。
したがって正しいものは「2つ」です。