賃料・敷金等の一時金(全15問中10問目)

No.10

賃料に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和元年試験 問18
  1. 賃料は、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年の消滅時効に服する。
  2. 借主が滞納賃料の一部を支払った場合で、弁済充当の合意がないときは、支払われた賃料は費用、利息、元本の順番で充当される。
  3. 貸主が賃料の受領を拒絶している場合、借主は賃料を供託することにより、債務不履行責任のみならず賃料支払義務を免れることができる。
  4. 借主の地位を複数人が共に有する場合、各借主は賃料支払債務を分割債務として負担する。

正解 4

解説

  1. 正しい。民法改正により職業別の短期消滅時効、定期給付債権の短期消滅時効および商事時効が廃止され、債権の原則的な消滅時効は、権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年になりました。
  2. 正しい。弁済充当の合意がないときは、支払われた賃料はまずはその費用に充当され、次に利息、そして元本の順番で充当されます。
  3. 正しい。借主が払いたいのに払えない場合は、供託所に賃料を供託する事により債務不履行責任と賃料支払義務を免れます。
  4. [誤り]。複数人が共に有するとは、複数人で借りている共有の状態になります。その場合は借りている部屋のどれだけを借りているか分割できないため、分割債務として負担ではなく各借主が全額を賃料支払債務として負担する必要があります(不可分債権扱い)。
したがって誤っている記述は[4]です。