賃料・敷金等の一時金 (全10問中10問目)

No.10

AがBに対してマンションの一室を賃貸している場合に関する次の記述のうち,最も適切なものはどれか。
平成27年試験 問16
  1. AはBに対して賃料の値上げを求めており,Bがこれに応じない場合に,Bが賃貸借契約で定められた賃料を支払ったところ,Aが受領を拒絶した場合,Bの賃料支払義務は消滅する。
  2. AはBに対して賃料の値上げを求めており,Bがこれに応じない場合に,BはAの親戚から,Aは値上げ後の賃料でなければ以後受領しないかもしれないと考えているようであることを聞いた。この場合,Bは賃料の支払をせずとも,債務不履行責任を免れることができる。
  3. AB間で賃料に関する紛争が生じており,Bが賃料を供託した場合において,Aは,Bの承諾を得たときに限り,供託された賃料相当額を受領することができる。
  4. Aが死亡し,CがAの相続人と称してBに対して賃料を請求した場合,Bは,Cが相続人であるかどうか明らかでないことを理由に賃料を供託することができる。

正解 4

解説

  1. 不適切。借主Bは貸主Aから賃料の値上げを請求された場合で、当事者間に協議が調わないときは、借主Bは増額を正当とする裁判が確定するまでは、従前の借賃を払えば足ります。
    従前の賃料を提供しても貸主Aが受領しない場合は、債務不履行責任を免れますが、賃料支払義務は消滅しません。この場合、賃料相当額を供託すれば支払債務を消滅させることができます。
  2. 不適切。貸主Aが受領を拒んでいるらしい状況でも、支払い準備ができたことを通知して受領を催告しなければ、債務不履行責任は免れません。
  3. 不適切。借主Bが賃料相当額を供託した場合、貸主Aはいつでも供託物の還付を受けることができます。供託者(借主)の承諾は不要です。
  4. [適切]。供託は、債権者が受領を拒んだときだけでなく、弁済者が過失なく債権者を確知することができないときもできるとしています。よって、賃料請求者が貸主Aの相続人と確知できない場合に、借主Bは賃料を供託をすることができます。
したがって適切な記述は[4]です。