賃料・敷金等の一時金 (全10問中9問目)

No.9

敷金に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
平成28年試験 問21
  1. 敷金契約は、賃貸借契約に付随する契約であるから、敷金契約のみを合意解除することはできない。
  2. 敷金は、賃貸借契約上の債務を担保するための金銭であるから、賃貸借契約の締結後に預け入れることはできない。
  3. 敷金返還請求権は、賃貸借契約が終了し、借主が建物を明け渡したときに発生するから、貸主は、借主が建物を明け渡すまでの間に、未払賃料に敷金を充当することはできない。
  4. 借主の債権者が、賃貸借契約の継続中に敷金返還請求権を差し押さえた場合、借主が建物を明け渡したときに賃料の未払がある場合には、貸主は敷金から未払賃料額を控除した後の残額の敷金を差押債権者に支払えば足りる。

正解 4

解説

  1. 不適切。敷金を預託する合意は、賃貸借契約とは別個の契約に基づく要物契約であるため、賃貸借契約の締結により当然に敷金預託の合意がなされるわけではありません。したがって、敷金契約のみを合意解除することも可能です。
  2. 不適切。敷金は、賃貸借契約締結と同時または締結前に預け入れることが一般的ですが、賃貸借契約締結後に支払う旨の合意も有効です。
  3. 不適切。貸主は、敷金の預託を受けた後、賃貸不動産の明渡しを受けるまでの間、賃料不払い等の事由が発生すれば、いつでも任意に敷金を充当することができます。一方、この充当を借主側から請求することはできません。
  4. [適切]。借主の賃貸不動産の明渡完了時に、敷金により担保される債務を借主が貸主に対して負担していれば、この債務は敷金から当然に充当されます。その結果、貸主は、債務控除後の残額を差押債権者に支払えば足りることになります。
したがって適切な記述は[4]です。