賃貸借の終了(全12問中11問目)

No.11

賃貸借契約の更新拒絶に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
平成27年試験 問21
  1. 貸主は、自ら建物の使用を必要とする事情が一切なくとも、立退料さえ支払えば、正当事由があるものとして、更新拒絶することができる。
  2. 更新拒絶の通知時点では正当事由が存在しなくとも、通知後に事情が変わり正当事由が具備され、正当事由が具備された状態が事情変更時点から6ヵ月間持続した場合、解約の効果が生じる。
  3. 建物の老朽化が著しく、隣家に損傷を及ぼしている場合、貸主は当面自己使用の必要性がなくても、立退料を提供することなく更新拒絶することができる。
  4. 建物にはあたらない駐車場施設の利用契約について貸主が更新拒絶するためには、貸主に施設の使用を必要とする事情のほか、立退料の支払により正当事由が認められなければならない。

正解 2

解説

  1. 不適切。立退料は正当事由を補完するものとして判断されます。よって、立退料さえ支払えば、正当事由があるものとして認められるわけではありません。正当事由については、賃貸人、賃借人が建物を使用する事情や、賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況および建物の現況も必要となります。
  2. [適切]。通知後に事情が変わり正当事由が具備され、正当事由が具備された状態が事情変更時点から6ヵ月間持続した場合、解約の効果が発生します。貸主側からの申し出については正当事由があるとしても6か月の猶予期間が必要となります。
  3. 不適切。建物の老朽化が著しく、隣家に損傷を及ぼしている場合であっても、借主が退去する必要がある場合には立退料を提供することなく更新拒絶することはできません。
  4. 不適切。建物にはあたらない駐車場施設の利用契約については、借地借家法の適用外となるので、貸主からの解約申入れに正当事由は必要ありません。
したがって適切な記述は[2]です。