賃貸借の終了(全14問中2問目)
No.2
建物賃貸借契約と破産に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。令和6年試験 問23
- 賃借人につき破産手続が開始すると、賃貸借契約は終了する。
- 賃借人につき破産手続が開始すると、開始決定までに生じた未払賃料債権は破産債権として扱われ、破産手続によらない限り、破産管財人から弁済を受けることができない。
- 賃借人につき破産手続が開始すると、賃借人は敷金返還請求権を行使することができない。
- 賃貸人につき破産手続が開始すると、賃借人が賃貸住宅の引渡しを受けている場合、破産管財人は、双務契約における当事者双方の債務の未履行を理由とした解除権を行使することができない。
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正解 1
問題難易度
肢162.4%
肢29.3%
肢315.6%
肢412.7%
肢29.3%
肢315.6%
肢412.7%
分野
科目:3 - 賃貸借に係る法令細目:5 - 賃貸借の終了
解説
- [誤り]。破産手続開始の決定は、民法上は解除理由や解約申入れの理由ではないため、借主が破産手続開始が決定を受けても賃貸借契約は当然には終了しません。破産手続が開始した場合、選任された破産管財人が契約解除又は債務の履行を選択することになります(破産法53条1項)。
- 正しい。破産債権は、破産者に対し破産手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権であって、財団債権に該当しないものです(破産法2条5項)。破産手続が開始された場合、開始決定までに生じた貸主の未払賃料債権は破産債権として扱われることとなります。破産債権は、破産手続によらない限り、破産管財人から弁済を受けることができません。
- 正しい。破産者が破産手続開始前に生じた原因に基づいて行うことがある将来の請求権は、破産財団(破産者の財産に相当)に属するとされています(破産法34条2項)。破産財団の処分権は破産管財人に専属するため、破産手続開始の決定を受けた賃借人は自ら敷金返還請求権を行使することができません。
- 正しい。破産者の相手方が賃借権その他の使用収益権について第三者対抗要件を備えている場合、破産管財人は当該設定契約について解除権を行使することができません(破産法56条1項)。建物賃貸借の対抗要件は引渡しですから、対抗要件を満たす賃借人に対しては、破産管財人による解除権の行使は認められません。
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