設備の基礎知識と維持管理(全24問中1問目)

No.1

法令に基づき行う設備の検査等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和5年試験 問6
  1. 浄化槽の法定点検には、定期検査と設置後等の水質検査があるが、その検査結果は、どちらも都道府県知事に報告しなければならないこととされている。
  2. 自家用電気工作物の設置者は、保安規程を定め、使用の開始の前に経済産業大臣に届け出なければならない。
  3. 簡易専用水道の設置者は、毎年1回以上、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の指定する機関に依頼して検査し、その検査結果を厚生労働大臣に報告しなければならない。
  4. 消防用設備等の点検には機器点検と総合点検があるが、その検査結果はどちらも所轄の消防署長等に報告しなければならない。

正解 3

解説

  1. 正しい。浄化槽は、下水道のない地域において、家庭から出る汚水を微生物の働きによって浄化してから放流するための施設です。浄化槽は、各建物ごとに設置されます。浄化槽の管理者(通常は建物の所有者)には、設置後3か月経過した日から5カ月以内に行われる水質検査と、設備の種類に応じて定期的に行われる保守点検及び清掃が義務付けられています。水質検査と保守点検の結果は、都道府県知事に報告しなければなりません。指定検査機関が点検を行った場合には、指定検査機関が代わりに報告することになっています(浄化槽法7条・11条)。
  2. 正しい。自家用電気工作物とは、事業用電気工作物(600Vを超えて受電する施設)のうち電力会社の事業用に使用されるもの以外の設備をいいます。建物に受変電設備に高圧で引き込む場合、受変電設備が自家用電気工作物に当たります。事業用電気工作物の設置者は、事業用電気工作物の工事、維持及び運用に関する保安を確保するための保安規程を定め、事業用電気工作物の使用開始前に経済産業大臣に届け出なければなりません(電気事業法42条)。
  3. [誤り]。水道事業の経営者は市町村(東京23区は特別区)なので、検査結果の報告は市町村に対して行います。
    簡易専用水道とは、水道水のみを水源とし、容量10m³を超える水槽を使用して飲用水等を共有する設備です。マンションやビルの屋上等に設置されている受水槽から各戸の蛇口までの部分が簡易専用水道に当たります。簡易専用水道の設置者は、年1回以上、地方公共団体の機関又は厚生労働大臣の登録を受けた者の検査を受け、市町村に簡易専用水道受検報告書を提出しなければなりません(水道法34条の2)。
  4. 正しい。多数の者が出入りする防火対象物では、消防用設備等について1年に1回以上、防火対象物点検資格者による総合点検を受けるとともに、6か月に1回以上、消防設備士による機器点検を受けなければなりません。点検結果は所轄の消防長または消防署長に報告します(消防法8条の2の2・17条の3の3)。
したがって誤っている記述は[3]です。