賃貸不動産経営管理士過去問題 平成28年試験 問10(改題)

問10

「賃貸住宅管理受託契約標準契約書」又は「特定賃貸借標準契約書」による管理受託契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。なお、管理受託契約に特約はないものとする。
  1. 法人である管理業者の代表取締役が死亡した場合、管理受託契約は終了する。
  2. 法人である管理業者A社がB社に吸収合併された場合、委託者である建物所有者の承諾がなければB社は管理業務を承継しない。
  3. 委託者である建物所有者が建物の所有権を第三者に譲渡すると、この第三者が管理受託契約の委託者の地位を承継する。
  4. 管理受託契約は、無償であっても管理業者は委託者に対して善管注意義務を負う。

正解 4

解説

  1. 誤り。管理受託契約は委任契約の一つなので、委託者または受託者の死亡で終了します。しかし、法人である管理業者の代表取締役が死亡しても法人は消滅しませんので、委任契約の終了事由にはなりません。
  2. 誤り。管理業者A社がB社に吸収合併された場合、A社の権利義務関係はB社に包括的に承継されます。したがって、委託者である建物所有者の承諾は不要です。
  3. 誤り。建物所有者が建物の所有権を第三者に譲渡しても、管理受託契約の委託者の地位は、当該第三者に当然に承継されるわけではありません。
  4. [正しい]。委任契約では事務の処理に当たり善管注意義務を負います。善管注意義務は、無償の契約であったとしても負うものとされています。
したがって正しい記述は[4]です。