賃貸不動産経営管理士過去問題 令和5年試験 問28

問28

賃貸住宅管理業者の業務に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
  1. 賃貸住宅管理業者は、常に賃貸住宅の建物所有者や入居者等の視点に立ち、信義を旨とし、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止する必要がある。
  2. 賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはならず、それに違反した場合は、その他人が賃貸住宅管理業者の登録を受けているか否かにかかわらず罰則の対象となる。
  3. 従業者証明書を携帯させるべき者には、正規及び非正規を問わず賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にあり、賃貸住宅管理業に従事する者が該当し、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にある者であっても、内部管理事務に限って従事する者は該当しない。
  4. 賃貸住宅管理業者は、管理業務の一部を再委託することができるが、管理業務の適正性を確保するため、再委託先は賃貸住宅管理業者としなければならない。

正解 4

解説

  1. 正しい。賃貸住宅管理業者は、信義を旨とし、誠実にその業務を行わなければなりません(管理業法10条)。賃貸住宅管理業者は、常に賃貸住宅のオーナーや入居者等の視点に立ち、業務に誠実に従事することで、紛争等を防止するとともに、賃貸借契約の更新に係る業務、契約の管理に関する業務、入居者への対応に関する業務等、賃貸住宅管理業の円滑な業務の遂行を図る必要があります(解釈運用の考え方-第10条関係)。
  2. 正しい。賃貸住宅管理業者は、自己の名義をもって、他人に賃貸住宅管理業を営ませてはなりません(管理業法11条)。名義貸しの禁止に違反した場合、その他人が賃貸住宅管理業者の登録を受けているか否かにかかわらず、1年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金に処し、又はこれを併科されます(管理業法41条)。
  3. 正しい。賃貸住宅管理業者は、その業務に従事する使用人その他の従業者に、その従業者であることを証する証明書を携帯させなければなりません(管理業法17条)。従業者証明書を携帯させる者の範囲は、賃貸住宅管理業に従事する者であり、賃貸住宅管理業者と直接の雇用関係にある者であっても、内部管理事務に限って従事する者は、従業者証明書の携帯の義務はありません(解釈運用の考え方-第17条関係)。
  4. [誤り]。管理業務の再委託先は賃貸住宅管理業者である必要はありません。法の規制はありませんが、登録拒否要件に該当しない事業者に再委託することが望ましいとされています(FAQ-事業関連(受託管理)(3)No.5)。
したがって誤っている記述は[4]です。