賃貸不動産経営管理士過去問題 令和5年試験 問30

問30

賃貸住宅管理業法の義務及び監督に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
  1. 国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者に対し業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができるが、その命令の根拠となる賃貸住宅管理業者の違反行為は、その処分をしようとする日から過去5年以内に行われたものが対象となる。
  2. 賃貸住宅管理業法は誇大広告等の禁止、不当な勧誘等の禁止等、特定賃貸借契約の勧誘について規律を定めており、特定転貸事業者だけでなく、建設業者や不動産業者等であっても特定賃貸借契約の勧誘者に該当すれば、法律上の義務が課される。
  3. 賃貸住宅管理業者が登録の更新をせず、登録が効力を失った場合には、登録に係る賃貸住宅管理業者であった者は、当該賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲内であっても、その業務を実施することができない。
  4. 国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者が登録を受けてから1年以内に業務を開始せず、又は引き続き1年以上業務を行っていないと認めるときは、その登録を取り消すことができる。
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ

正解 3

解説

  1. 正しい。国土交通大臣は、賃貸住宅管理業者に対し、業務改善命令や業務停止処分を行うことができます(管理業法22条・23条)。これらの監督処分は、行政規則レベルで当該監督処分をしようとする日前5年間に当該賃貸住宅管理業者がした違反行為に対して行うこととされています(監督処分基準2-1)。
  2. 正しい。賃貸住宅管理業法では、特定転貸事業者のみならず特定賃貸借契約の勧誘者に対して、誇大広告の禁止、不当な勧誘の禁止などの規制をしています。したがって、特定賃貸借契約の勧誘者に該当すれば、法の規制対象となれます。
    なお、特定賃貸借契約の規制上の勧誘者とは、特定転貸事業者が特定賃貸借契約の締結についての勧誘を行わせる者とされ、特定転貸事業者を委託を受けた者のほか、明示的に勧誘を委託されてはいないが、特定転貸事業者から勧誘を行うよう依頼をされている者や、勧誘を任されている者は該当し、依頼の形式は問わず、資本関係も問いません(FAQ-事業関連(サブリース)(1)No.1)。
  3. 誤り。賃貸住宅管理業者の登録が効力を失ったとき、又は登録を取り消されたときであっても、その賃貸住宅管理業者や一般承継人は、その賃貸住宅管理業者が締結した管理受託契約に基づく業務を結了する目的の範囲においては賃貸住宅管理業者とみなされます。したがって、管理業者として業務を実施することができます(管理業法27条)。
  4. 正しい。現に賃貸住宅管理業を営んでいない者も登録を受けることは可能です。ただし、登録を受けた賃貸住宅管理業者が登録後1年以内に業務を開始しない、または引き続き1年以上業務を行っていない場合、国土交通大臣はその登録を取り消すことができます(管理業法23条2項)。
したがって正しいものは「3つ」です。