賃貸借契約(全28問中23問目)

No.23

賃貸借契約と使用貸借契約との異同に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
平成28年試験 問17
  1. 貸主が死亡した場合、使用貸借契約は終了するが、賃貸借契約は終了しない。
  2. 使用貸借契約の終了に当たっては、賃貸借契約の終了時に必要とされることがある正当事由は必要とされない。
  3. 使用貸借契約の対象建物が売却された場合、賃貸借契約と異なり、借主は当該建物の買主に対して使用貸借契約を対抗することができない。
  4. 使用貸借契約の借主は、賃貸借契約の借主と異なり、対象建物の通常の必要費を負担する。

正解 1

解説

  1. [不適切]。貸主死亡については、使用貸借であっても賃貸借契約であっても契約は終了しません。貸主が死亡した場合、貸主としての債権債務は相続人に承継されます。なお、借主の死亡の場合、使用貸借契約は終了し、賃貸借契約は終了しません。
  2. 適切。使用貸借契約は借地借家法の適用外ですので、建物賃貸借契約の終了時に借主からの更新請求を拒絶するための正当事由は要求されません。
  3. 適切。使用貸借では、借地借家法の適用による借主保護もなく、また登記もできないため、使用貸借していることを第三者に対抗するすべはありません。無償で目的物を使用収益することができる借主をそこまで厚く保護する必要もないためです。
  4. 適切。使用貸借契約の借主は、借用物の通常の必要費を負担するのが原則です。一方、賃貸借契約では使用収益に必要な修繕をする義務が貸主にあります。
したがって不適切な記述は[1]です。