賃貸借契約(全28問中6問目)

No.6

高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下、本問において「高齢者住まい法」という。)に基づく建物賃貸借契約(以下、本問において「終身建物賃貸借契約」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
令和4年試験 問26
  1. 終身建物賃貸借契約は、借主の死亡に至るまで存続し、かつ、借主が死亡したときに終了するが、これは特約により排除することも可能である。
  2. 終身建物賃貸借契約を締結する場合、公正証書によるなど書面又は電磁的記録によって行わなければならない。
  3. 終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、高齢者住まい法が定めるバリアフリー化の基準を満たす必要がある。
  4. 終身建物賃貸借契約では、賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することができる。

正解 1

解説

  1. [誤り]。賃借人(60歳以上の者に限る)の死亡まで継続することが終身建物賃貸借契約の要件となっているので、これは特約によって排除することはできません。死亡により終了することについては、貸主の業者側が不利となるだけなので、特約で定めないことも許されています(高齢者住まい法52条1項)。
  2. 正しい。終身建物賃貸借契約の締結は、公正証書による等書面(電磁的記録による場合を含む)で行うことが必要です(高齢者住まい法52条)。"公正証書による等書面"というのは条文上の表現でわかりにくいですが、公正証書などの書面、つまり書面であればOKということです。
  3. 正しい。終身建物賃貸借契約の対象となる賃貸住宅は、段差のない床構造、トイレ・浴室・階段のへの手すりの設置、幅の広い出入口、3階以上の建物にはエレベーターの設置など一定のバリアフリー基準に適用するものでなければなりません(高齢者住まい法54条1項)。
  4. 正しい。終身建物賃貸借契約において借賃の改定に関する特約(例えば、賃料減額請求をしないなど)がある場合、賃料増減額請求権をすることができません。よって、借賃の改定に関する特約をすることによって賃料増額請求権及び賃料減額請求権のいずれも排除することが可能です(高齢者住まい法63条)。
したがって誤っている記述は[1]です。