建物の基礎知識と維持管理(全30問中5問目)

No.5

建物の防水工法の種類に関する次の記述のうち、適切なものはいくつあるか。
  1. 防水工法の種類は用途に応じて様々であるが、大きくはメンブレン防水とシーリング防水とに区分できる。
  2. メンブレン防水とは、屋根・屋上・バルコニー等に薄い皮膜を形成して防水する工法の総称である。
  3. シーリング防水とは、コンクリートの打ち継ぎ部・目地部・接合部等に専用材料を充填する防水工法の総称である。
  4. アスファルト防水の工法には、アスファルトを加熱融解して下地に張り付け、3、4層の防水層を形成するものと、合成高分子系ルーフィングシートを用いて防水効果を高め、1、2層の防水層を形成するものがある。
令和6年試験 問47
  1. 1つ
  2. 2つ
  3. 3つ
  4. 4つ

正解 4

問題難易度
肢15.1%
肢29.1%
肢320.3%
肢465.5%

解説

  1. 適切。防水工法の種類は「メンブレン防水」と「シーリング防水」に大別されます。メンブレン防水は、屋根・屋上・バルコニーなど広い平面に薄い防水層を形成し、水の浸入を防ぐ工法です。一方、シーリング防水は、外壁ボードのつなぎ目やサッシ周りの目地又は隙間にシーリング材を充填し、水の浸入を防ぐ工法です。
  2. 適切。メンブレン防水は、屋根や屋上、バルコニーといった広い平面部分に、薄い防水膜を施す工法の総称です(メンブレンは「膜」を意味します)。防水シートを貼り付ける「シート防水工法」、液状の防水材料を塗布する「塗膜防水工法」、複数の材料を組み合わせる「複合防水工法」があります。
  3. 適切。シーリング防水は、外壁と窓枠や、プレキャストコンクリート相互間の目地にシーリング材を充填等することで、建物内部への雨水の侵入を防ぐ防水工法です。
  4. 適切。アスファルト防水は、メンブレン防水の一種で、加熱して溶かしたアスファルトを接着剤として、アスファルトを含浸・コーティングしたシート(ルーフィングシート)を複数層重ねることで防水層を作る工法です。
    伝統的な工法では、合成繊維や不織布を主原料としたシートを3~4層重ねますが、近年では合成ゴムや合成樹脂を主原料とした合成高分子系ルーフィングシートを用いたり、アスファルトに合成ゴムやプラスチックを添加することで、1~2層で仕上げるものもあります。
したがって適切なものは「4つ」です。