賃貸不動産経営管理士過去問題 平成27年試験 問9

問9

管理受託契約に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 管理業者の共用部分に対する管理懈怠により、賃貸物件を訪問した第三者が共用廊下において転倒して怪我をした場合、管理業者はこの第三者に対して、管理受託契約の違反に基づく損害賠償義務を負う。
  2. 管理業者が破産手続開始の決定を受けた場合、管理受託契約は終了する。
  3. 委託者が後見開始の審判を受けた場合、管理受託契約は終了する。
  4. 管理受託契約において、管理業者の負う善管注意義務を加重する旨の特約は無効である。

正解 2

解説

  1. 誤り。第三者に対する損害賠償義務は、管理受託契約の違反に基づくものではなく不法行為による損害賠償となります。不法行為責任とは、故意または過失によって他人の権利を侵害したときに負う責任です。契約当事者間では契約違反行為となりますが、管理業者と訪問者は直接契約を締結している関係ではないため、不法行為による損害賠償という扱いとなります(民法709条)。
  2. [正しい]。管理受託契約は民法上の委任契約(正確には準委任契約)であり、以下の場合に終了します(民法653条)。
    • 委任者または受任者の死亡
    • 委任者または受任者の破産手続開始の決定
    • 受任者の後見開始
    受任者である管理業者の破産手続開始の決定を受けた場合、管理受託契約は当然に終了します。
  3. 誤り。受任者側が後見開始の審判を受けた場合には、管理受託契約の終了事由となりますが、委任者が後見開始の審判を受けても、受任者はそのまま業務遂行が可能なため管理受託契約は終了しません。委任者に生じた事由で委任契約が終了となるのは、死亡と破産手続開始の場合です(民法653条)。
  4. 誤り。善管注意義務は任意規定とされているため、当事者同士の合意によりその義務を軽くしたり重くしたりすることができます。管理業者の負う善管注意義務を加重する旨の特約も有効です。ただし、一方が著しく不利な特約は消費者契約法や公序良俗違反によって無効となるケースもあるでしょう。
したがって正しい記述は[2]です。