賃貸不動産経営管理士過去問題 令和元年試験 問37

問37

管理業者の役割に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 借主保持と快適な環境整備に関しては、昨今の借り手市場のもとでは、できるだけ優良な借主に長く借りてもらうことが大切である。
  2. 新たな経営管理手法の研究と提案は、管理業者の役割というよりも、アセットマネージャーの役割である。
  3. 透明性の高い説明と報告に関しては、貸主だけでなく投資家に対しても行わなければならない場合がある。
  4. 一定の業務のみ行ったり、一時的な対応にとどまるのではなく、能動的、体系的管理の継続が求められる。

正解 2

解説

  1. 適切。空家・空室が多く借り手が優位な市場の中で安定した賃料収入を得るためには、入居者の入替えに伴って発生する礼金などの一時金や賃料引き上げに期待するのではなく、優良な借り手に長く借りてもらうことが貸主にとっても重要となっています。
  2. [不適切]。不動産証券化に伴って、不動産賃貸管理の新たな手法やノウハウが登場しています。管理業者には、不動産賃貸管理のプロとして、これらの経営管理手法を研究し使いこなす、高度な不動産賃貸管理が求められています。アセットマネージャーは、投資家から委託を受け、投資家の資産(アセット)を運用する計画を立案し、投資を決定し、実施し、実行を管理する業務であり、実際の不動産の管理・運用は行いません。
  3. 適切。不動産証券化により、投資家が貸主になるケースも増えています。管理業者はプロパティマネージャーとして、物件の管理状況や運営状況等の透明性の高い説明や報告を投資家に行う役割を担っています。
  4. 適切。単に賃貸不動産の管理だけでなく、借主や地域社会に対して負う責任も増えてきていることから、借主や貸主との信頼関係の確保や、能動的、体系的管理の継続が求められていると考えられます。
したがって不適切な記述は[2]です。