賃貸不動産経営管理士過去問題 令和3年試験 問4

問4

管理受託契約の性質に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  1. 管理受託契約は、民法上の委任と雇用の性質を併有することが想定されている。
  2. 民法上の請負は、法律行為又は事実行為をすることを目的とする。
  3. 建物設備の維持保全業務は、民法上の準委任に当たる。
  4. 民法上の委任契約は、書面で契約を締結することが義務付けられている。

正解 3

解説

  1. 不適切。雇用は依頼主のための労働に従事して報酬をもらう契約、委任は依頼を受けて他人の法律事務や事実行為を行う契約です。雇用では依頼主の指図によって業務を遂行する仕事を行うので労働者の裁量がない一方、委任では独立した立場で業務を遂行します。
    管理受託契約は、民法上の委任の性質を有しますが、雇用の性質は想定されていません。
  2. 不適切。民法上の請負は、仕事の完成を目的とする契約です。本肢の記述は委任契約の目的を説明した文です。
  3. [適切]。委任は法律事務の処理を委託する契約、準委任は法律事務以外の事務の処理を委託する契約です。維持保全業務は法律事務ではないので準委任に当たります。
  4. 不適切。民法上の委任契約は、諾成契約であり契約方式は問われません。よって、書面での契約は義務付けられていません。
したがって適切な記述は[3]です。