建物の基礎知識と維持管理(全30問中8問目)

No.8

屋根や外壁等の劣化と点検に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
令和5年試験 問16
  1. 傾斜屋根には、金属屋根、スレート屋根などがあり、経年劣化により屋根表面にコケカビ等が発生したり、塗膜の劣化による色あせ等が起きたりするので、概ね3年前後での表面塗装の補修が必要である。
  2. 陸屋根では、風で運ばれた土砂が堆積したり、落ち葉やゴミが排水口等をふさぐことがあるが、それが原因で屋上の防水機能が低下することはない。
  3. コンクリート打ち放しの場合、外壁表面に発生した雨水の汚れやコケカビ、塩害や中性化の問題があるが、美観上の問題であり、定期的な点検は必要ない。
  4. ルーフバルコニーでは、防水面の膨れや亀裂、立ち上がりのシーリングの劣化などが発生するので、定期的な点検や補修が必要である。

正解 4

解説

  1. 不適切。3年ではなく10年が目安となります。傾斜屋根では、屋根の表面にコケカビ等が発生したり、塗膜の劣化による色あせ・錆による美観の低下が生じたりすることがあるため、およそ10年おきに表面塗装のメンテナンスが必要となります。
  2. 不適切。陸屋根は平らな形状のため、風で運ばれた土砂が堆積したり、落ち葉やゴミが排水口等をふさぐことがあります。それらが原因で屋上の防水機能が低下し、建物に水漏れのリスクが生じるおそれがあります。
  3. 不適切。コンクリート打ち放しの場合、外壁表面に雨水の汚れやコケカビが発生したり、コンクリート自体の塩害、中性化、凍害、鉄金発錆が発生したりするリスクがあります。塩害や中性化は、美観を損なうだけではく、鉄筋の腐食を招きますので定期的な点検が必要です。
  4. [適切]。ルーフバルコニーでは、太陽熱や紫外線、雨などが原因となり、防水面の膨れや亀裂、立ち上がりのシーリングの劣化などが発生するので定期的な点検や補修が必要となります。また、排水溝(ルーフドレン)がふさがれていないかも点検する必要があります。
したがって適切な記述は[4]です。