賃貸不動産経営管理士過去問題 令和2年試験 問4

問4

賃貸不動産経営管理士が行う業務に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
  1. 賃貸物件の入居希望者が若い夫婦であったので、入居審査のため、子供をつくる予定がないことを確認した。
  2. 賃貸物件の入居希望者から、入居を希望する居室内で死亡した人がいるかと質問されたところ、3年前に死亡した人がいたので、いると答えた。
  3. 賃貸物件の入居希望者から、騒音や振動に関して紛争を起こしたことのある入居者がいるかと質問されたところ、該当する入居者がいるので、いると答えた。
  4. 賃貸物件の前面道路で発生した交通事故の捜査に関し、警察から照会を受けたので、賃貸物件に設置している監視カメラのデータを提供した。

正解 1

解説

  1. [不適切]。子供の居住を禁止することは公序良俗に反しますし、このような条件であることを確認することは賃貸不動産経営管理士の公共的使命に反します。
  2. 適切。居室内での自殺や他殺があった場合には心理的瑕疵に該当しますから、"死の告知に関するガイドライン"に基づき事故から一定期間は告知すべきです。自然死だった場合でも、賃貸不動産経営管理士の信義誠実の義務に則り、依頼者に対し正しい事実を告知すべきです。
  3. 適切。賃貸不動産経営管理士の信義誠実の義務に則り、依頼者に対し正しい事実を告知することは正しい行為です。
  4. 適切。警察や弁護士から捜査の依頼を受けた場合、任意捜査ですので応じなければならない義務はありませんが、賃貸不動産経営管理士の公共的使命および公正中立性の保持の観点を踏まえれば警察からの捜査依頼に協力するのは正しい行為です。このとき、後々のトラブルに備えて刑事訴訟法に基づく公的書類である捜査関係事項照会書を入手しておくことが望まれます。
    なお、法令に基づく場合は個人データの第三者提供の制限対象外ですので、個人情報保護法上の問題にはなりません。
したがって不適切な記述は[1]です。