賃貸不動産経営管理士過去問題 令和4年試験 問4

問4

管理受託契約の締結時に交付する書面に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 管理受託契約を、契約の同一性を保ったまま契約期間のみ延長する内容で更新する場合には、更新時に管理受託契約の書面の交付は不要である。
  2. 管理受託契約重要事項説明書と管理受託契約の締結時に交付する書面は、一体の書面とすることができる。
  3. 管理受託契約は、標準管理受託契約書を用いて締結しなければならず、内容の加除や修正をしてはならない。
  4. 管理受託契約締結時の交付書面は、電磁的方法により提供することはできない。

正解 1

解説

  1. [正しい]。管理受託契約締結時書面は、契約内容の変更を行う契約を締結したときにも変更のあった事項について記載したものを交付しなければなりませんが、契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、管理受託契約締結時書面の交付は不要とされています(解釈運用の考え方-第14条第1項関係2)。
  2. 誤り。管理受託契約重要事項説明書は、賃貸住宅の賃貸人が契約内容を十分に理解するために契約に先だって交付されるもの、管理受託契約締結時書面は契約内容を証するために契約後に交付されるものです。目的が異なるので両方の書面を一体として交付することはできません(FAQ-事業関連(受託管理)(2)No.3)。
  3. 誤り。法に定める記載事項が記載された契約書であれば、管理受託契約締結時書面とすることができます。標準管理受託契約書は国土交通省が提供するひな形ですが、必ずこのひな形を使用する必要はありません。
  4. 誤り。管理受託契約締結時書面についても、管理受託契約締結時書面と同じく、賃貸住宅の賃貸人の承諾を得て、書面での交付に代えて電磁的方法により提供することができます(管理業法14条2項)。
したがって正しい記述は[1]です。