賃貸不動産経営管理士過去問題 令和4年試験 問34

問34

賃貸住宅管理業の登録に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
  1. 現に賃貸住宅管理業を営んでいなくても登録を行うことはできるが、登録を受けてから1年以内に業務を開始しないときは、登録の取消しの対象となる。
  2. 賃貸住宅管理業者が法人の場合、登録は法人単位でなされ、支社・支店ごとに登録を受けることはできない。
  3. 負債の合計額が資産の合計額を超えている場合には、直前2年の各事業年度において当期純利益が生じている場合であっても、「財産的基礎を有しない者」として登録は拒否される。
  4. 賃貸住宅管理業者である法人は、役員に変更があったときは、その日から3か月以内に、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。
  1. ア、イ
  2. ア、ウ
  3. イ、エ
  4. ウ、エ

正解 4

解説

  1. 正しい。賃貸住宅管理業の登録を受ける対象は「賃貸住宅管理業を営もうとする者」なので、現時点の管理戸数が0戸の場合でも登録を受けることは可能です(FAQ-登録関連(3)2)。ただし、登録を受けてから1年以内に業務を開始しないときは、登録を取り消されることがあります(管理業法23条2項)。
  2. 正しい。賃貸住宅管理業は、法人の場合は法人単位で登録を行うため、支社・支店ごとに登録を受けることはできません(FAQ-登録関連(3)No.3)。
  3. 誤り。登録申請者が「賃貸住宅管理業を遂行するために必要と認められる国土交通省令で定める基準に適合する財産的基礎を有しない者」であるときは登録が拒否されます。国土交通省令で定める基準は、財産及び損益の状況が良好であることとされており、具体的には登録申請日が属する事業年度の前事業年度において、負債の合計額が資産の合計額を超えておらず、かつ、支払不能に陥っていない状態を指します。
    ただし、上記の債務超過状態にある場合でも、直前2期に当期純利益が生じている場合や、負債の合計から代表者からの借入金を控除すれば資産の合計を超えない場合には、財産及び損益の状況が良好であると認めて差し支えないとされています(解釈運用の考え方-第6条第10号関係)。よって、本肢のケースは「財産的基礎を有しない者」には該当しません。
  4. 誤り。賃貸住宅管理業者は、登録の申請書の記載内容(賃貸住宅管理業者登録簿の記載内容)に変更があったときは、その日から30日以内に国土交通大臣にその旨を届け出なければなりません(管理業法7条)。法人の場合、役員の氏名が登録申請書の内容となっているので、役員に変更があったときは変更の届出が必要です。
したがって誤っているものの組合せは「ウ、エ」です。