賃貸不動産経営管理士過去問題 令和6年試験 問3

問3

賃貸住宅管理業法に基づく賃貸住宅の管理受託契約の契約変更に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
  1. 賃貸住宅管理業法施行前に締結された管理受託契約について、同法施行後に賃貸住宅管理業者の商号を変更する場合には、改めて賃貸住宅管理業法に定める契約締結時の書面の交付を行う必要がある。
  2. 賃貸住宅管理業法施行後に締結された管理受託契約について、管理業務の再委託先を変更する場合には、改めて管理受託契約重要事項説明を行う必要がある。
  3. 賃貸住宅管理業法施行前に締結された管理受託契約について、同法施行後に法令で定める全ての事項について管理受託契約重要事項説明を行っている場合、その後、報酬の額を変更するときの管理受託契約重要事項説明は、報酬に関する部分について改めて行えば足りる。
  4. 賃貸住宅管理業法施行後に締結された管理受託契約について、報酬の額を変更する場合、委託者の承諾がなくても、管理受託契約重要事項説明を行えば、説明の後、直ちに変更契約を締結することができる。

正解 3

問題難易度
肢112.1%
肢229.8%
肢353.0%
肢45.1%

解説

  1. 不適切。管理受託契約を締結しようとするときには、新たに契約を締結しようとする場合だけでなく、現在の管理受託契約を変更する契約を締結しようとする場合も含まれます。ただし、契約の同一性を保ったままで契約期間のみを延長することや、組織運営に変更のない商号又は名称等の変更等、形式的な変更と認められる場合は、契約締結時書面の交付を行わなくても差し支えないとされています(解釈運用-第13条関係1)。
    したがって、賃貸住宅管理業者の商号を変更するだけであれば、契約締結時の書面の交付を行う必要はありません。
  2. 不適切。管理受託契約に係る重要事項説明では、第三者に委託する管理業務の内容、再委託予定者を記載し説明することになっています。重要事項説明時から再委託先が変更となったとしても、再委託先の変更は形式的な変更であるため、変更時に改めて重要事項説明を実施する必要はありません。ただし、再委託先が変更する度ごとに書面又は電磁的方法により賃貸人に知らせる必要があります(FAQ-事業関連(受託管理)(2)No.15)。
  3. [適切]。契約期間中や契約更新時に重要事項説明の対象事項について変更しようとするときは、変更のあった事項についてのみ、重要事項説明と契約締結時書面の交付を行えば足ります。しかし、管理業法施行前に締結された管理受託契約で重要事項説明・契約締結時書面の交付を行っていない場合は、変更時に全ての事項について重要事項説明・契約締結時書面の交付を行う必要があります(FAQ-事業関連(受託管理)(2)No.14・No.15)。
    本肢では、法施行前に締結された管理受託契約ですが、法施行後に全ての事項について管理受託契約重要事項説明を行っているので、変更対象となる報酬に関する部分だけを説明すれば問題ありません。
  4. 不適切。重要事項説明から契約締結までは1週間程度の期間をおくことが望ましいとされています。ただし、契約期間中や契約更新時における重要事項の変更については、説明の相手方が承諾した場合に限り、説明から契約締結まで時間をおかないこととすることができます(解釈運用-第13条関係1)。
    したがって、委託者の承諾がない場合には、説明の後、直ちに変更契約を締結することはできません。
したがって適切な記述は[3]です。