賃貸不動産経営管理士過去問題 令和6年試験 問14

問14

建物の外壁の定期調査についての建築基準法等の運用に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  1. 外壁仕上げ材等の定期調査では、外壁タイル、石張り、モルタル等の劣化及び損傷の状況について、概ね6か月から3年以内に一度行う手の届く範囲の打診に加え、概ね10年に一度、全ての壁面について全面打診等を行うこととされている。
  2. 3年以内に外壁改修を行うことが確実である場合であっても、全面打診を行うこととされている。
  3. 竣工後5年以内の建物の外壁タイル等については、剥離の有無等を確認する調査方法として、双眼鏡等による目視は認められていない。
  4. 打診以外の外壁の調査方法には、地上に設置した赤外線装置による赤外線調査等があるが、無人航空機による赤外線調査についても、一定の実施要領にのっとれば、テストハンマーによる打診と同等以上の精度を有するものとされている。

正解 4

問題難易度
肢123.9%
肢29.5%
肢35.9%
肢460.7%

解説

  1. 不適切。全ての壁面ではありません。外装仕上げ材等におけるタイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く)、モルタル等の劣化及び損傷の状況の調査については、概ね6か月から3年以内に一度の手の届く範囲の打診等に加え、概ね10年に一度、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的な打診等を行うこととされています。
  2. 不適切。10年ごとに行う外壁の全面打診調査は、3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合、又は別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合は免除されます。
  3. 不適切。概ね6か月から3年以内に一度行われる建築物の外壁のタイル等の調査の方法は、次のように規定されています。
    • 手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認する
    • その他の部分は必要に応じて双眼鏡等による目視により確認し、異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する
    上記より、手の届かない部分に関しては双眼鏡等による目視確認が認められています。
  4. [適切]。打診以外の調査方法として、赤外線装置により撮影されたタイル貼り等の被写体表面の熱画像で確認できる表面温度の差によって、建築物外壁のタイル等の浮きの有無や程度を調査する方法(打診と同等以上の精度であることが確認された方法に限る)が認められています。また、一定の実施要領にのっとれば、打診に代えて赤外線装置を搭載した無人航空機(ドローン)による外壁調査も可能です。
したがって適切な記述は[4]です。