賃貸不動産経営管理士過去問題 令和6年試験 問35

問35

特定転貸事業者が、特定賃貸借契約を締結しようとする際に行う相手方への説明(以下、「特定賃貸借契約重要事項説明」という。)に関する次の記述のうち、不適切なものはどれか。
  1. 特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明にあたって、説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきである。
  2. 特定転貸事業者は、特定賃貸借契約重要事項説明の相手方が高齢である場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、説明の相手方の状況を踏まえた慎重な説明を行うべきである。
  3. 特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が図面等の書類及び説明を十分に理解できる映像を視認できるか、又は、双方が発する音声を十分に聞き取ることができる環境で実施しなければならない。
  4. 特定転貸事業者は、ITを活用した方法で特定賃貸借契約重要事項説明を実施する場合、説明の相手方が承諾した場合を除き、重要事項説明書をあらかじめ送付しておく必要がある。

正解 3

問題難易度
肢17.6%
肢24.1%
肢339.1%
肢449.2%

解説

  1. 適切。特定賃貸借契約重要事項説明は、説明の相手方の知識、経験、財産の状況、賃貸住宅経営の目的やリスク管理判断能力等に応じた説明を行うことが望ましいことから、説明の相手方の属性やこれまでの賃貸住宅経営の実態を踏まえて実施します。具体的に留意すべき点として次の3つが例示されています(サブリースガイドライン第30条関係(4))。
    1. 説明の相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分確認すること
    2. 説明の相手方の属性や賃貸住宅経営の目的等に照らして、マスターリース契約のリスクを十分に説明すること
    3. 説明の相手方が高齢の場合は、説明の相手方の状況を踏まえて、慎重な説明を行うこと。
    ガイドラインに基づき、重要事項説明をするにあたって、相手方の賃貸住宅経営の目的・意向を十分に確認すべきと言えます。
  2. 適切。特定賃貸借契約重要事項説明を行う際に留意すべき点として、説明の相手方が高齢者である場合があります。説明の相手方が高齢の場合は、過去に賃貸住宅経営の経験が十分にあったとしても、身体的な衰えに加え、短期的に判断能力が変化する場合もあることから、説明の相手方の状況を踏まえて、慎重な説明を行うこととされています(サブリースガイドライン第30条関係(4))。
  3. [不適切]。重要事項説明にITを活用する場合は、説明者及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容について十分に理解できる程度に映像が視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞き取ることができるとともに、双方向でやりとりできる環境において実施しなければなりません(解釈・運用-第13条関係4(2))。本肢は接続詞が「又は」となっているので誤りです。
  4. 適切。重要事項説明にITを活用する場合は、重要事項説明を受けようとする者が承諾した場合を除き、重要事項説明書及び添付書類をあらかじめ送付していることが必要です(解釈運用-第13条関係4(2))。原則としては、重要事項説明書等の送付から一定期間後に重要説明を実施することとなりますが、相手方の承諾があるときには事前送付は不要となります。
したがって不適切な記述は[3]です。