賃貸不動産経営管理士過去問題 令和6年試験 問36

問36

特定転貸事業者が行う特定賃貸借契約重要事項説明において、特定賃貸借契約の相手方になろうとする者に交付すべき書面(以下、各問において「特定賃貸借契約重要事項説明書」という。)に関する次の記述のうち、適切なものはどれか。
  1. 特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合であっても、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書とは別の書面として作成しなければならない。
  2. サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン(国土交通省不動産・建設経済局令和5年3月31日改正)によれば、特定賃貸借契約重要事項説明書には、書面の内容を十分に読むべき旨を記載しなければならないが、その部分を太枠で囲い太字波下線を付すことまでは求められていない。
  3. 分譲マンションにおいて、特定転貸事業者が専有部分のみを管理し、マンション共用部分の管理はマンション管理業者が行う場合、特定賃貸借契約重要事項説明書には共用部分の管理に関する負担を記載する必要はない。
  4. 入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕を行っていない場合であっても、そのことを特定賃貸借契約重要事項説明書に記載し説明することが望ましい。

正解 4

問題難易度
肢118.8%
肢220.2%
肢35.0%
肢456.0%

解説

  1. 不適切。特定賃貸借契約と管理受託契約を1つの契約として締結する場合、特定賃貸借契約重要事項説明書と管理受託契約重要事項説明書を1つにまとめること、特定賃貸借契約締結時書面と管理受託契約締結時書面を1つにまとめることは可能です(FAQ-事業関連(サブリース)(4)No.4)。これに対して、重要事項説明書と契約締結時書面はその目的が異なるため両書面を一体で交付することはできません(FAQ-事業関連(サブリース)(4)No.3)。
  2. 不適切。特定賃貸借契約重要事項説明書では、「書面の内容を十分に読むべき旨」は太枠の中に太字波下線12ポイント以上、それ以外の文字は8ポイント以上の文字を用いて記載することが推奨されています(サブリースガイドライン第30条関係(5))。
  3. 不適切。分譲マンションの共用部分の維持管理は、原則として管理組合(又は委託を受けたマンション管理業者)により実施されます。分譲マンションの一室を賃貸借契約を行う場合でも、管理組合に対して支払う管理費は所有者である賃貸人の負担となります。このため、分譲マンションに係る特定賃貸借契約では、共用部分の管理とその費用が賃貸人の負担となる旨を確認的に記載し、説明することが求められます(FAQ-事業関連(サブリース)(5)No.1)。
  4. [適切]。特定賃貸借契約重要事項説明書では、特定賃貸借業者が行う賃貸住宅の維持保全の実施方法が記載事項となっています(管理業法規則45条4号)。維持又は修繕のいずれか一方のみを行う場合や入居者からの苦情対応のみを行い維持及び修繕(維持・修繕業者への発注等を含む。)を行っていない場合であっても、その内容を記載し、説明することが望ましいとされています(解釈運用-第30条関係2(4))。
したがって適切な記述は[4]です。