賃貸不動産経営管理士過去問題 令和7年試験 問5

問5

賃貸借契約の終了に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
  1. 賃貸人が期間の定めのある建物賃貸借契約を期間の満了をもって更新せず終了させる場合、更新拒絶には正当事由の具備が必要となるところ、正当事由は具備されてから6か月間持続しなければならない。
  2. 期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由の具備が必要となるところ、いわゆる立退料の提供の申出は正当事由の主たる要素となり、賃貸人及び賃借人各自が賃貸物件の使用を必要とする事情は、補完的要素として考慮されるに過ぎない。
  3. 期間内解約の定めのない、期間の定めのある建物賃貸借契約においては、賃借人に限り期間内解約を申し出ることができる。
  4. 期間の定めのない建物賃貸借契約において、賃借人が解約を申し入れた場合、解約申入日から6か月を経過しなければ、同契約は終了しない。

正解 1

問題難易度
肢161.7%
肢213.5%
肢315.3%
肢49.5%

解説

  1. [正しい]。期間の定めのある建物賃貸借契約において、賃貸人が更新拒絶により賃貸借契約を終了させるためには正当事由が必要です(借地借家法28条)。解約による賃貸借の終了は、解約申入れ日から6カ月を経過することにより終了します(同法27条)。正当事由は、更新拒絶等の通知および解約申入れの時に存在し、かつ、その後6か月間持続させなければなりません(最判昭29.3.9)。
  2. 誤り。貸主が建物賃貸借の更新を拒絶するには正当事由が必要です。正当事由は下記5つであり、すべてを総合考慮して判断されます(借地借家法28条)。
    • 貸主および借主が建物の使用を必要とする事情
    • 建物の賃貸借に関する従前の経過
    • 建物の利用状況
    • 建物の現況
    • 立退料の提供の申し出
    このうち立退料は、正当事由の主たる要素ではなく、正当事由を補完する要素として取り扱われます(最判昭46.11.25)。
  3. 誤り。期間の定めのある建物賃貸借契約では、中途解約できる旨の特約がなければ、当事者双方ともに契約期間内の解約申入れをすることはできません(民法618条)。これに対して、期間の定めのない建物賃貸借契約では、当事者双方がいつでも解約の申入れをすることができます(民法617条1項)。ただし、どちらも賃貸人からの解約申入れには正当事由が必要です。
  4. 誤り。期間の定めのない建物賃貸借契約では、賃貸人からの解約申入れ(正当事由が必要)の場合は申入日から6か月、賃借人からの解約申入れの場合は申入日から3か月を経過することによって終了します(民法617条1項、借地借家法34条2項)。
したがって正しい記述は[1]です。